ATP産生の問題
 

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ATPはアデノシン三リン酸(denosine riーhosphate)の略称であり,塩基の(ア)に五炭糖の(イ)が結合したアデノシンに,さらに3個のリン酸が結合した化合物である。

  (1)リボース   (2)ペントース   (3)グアニン  (4)アデニン

   (ア)     (イ)

ATPは,(ア)という酵素で加水分解されて(イ)とリン酸になる。このとき,ATP1モル(グラム分子)当たり,平均(ウ)kcalのエネルギーが放出される。この高いエネルギーをもつ結合は(エ)結合と呼ばれる。

  (1)ADP(アデノシン二リン酸)   (2)7.3   (3)ATPase  (4)高エネルギーリン酸  (5)688

 (ア)     (イ)     (ウ)     (エ) 

生命活動の多くはATPに蓄えられたエネルギーを直接利用して行われる。次の中でATPの利用に当てはまらないのはどれか。
  (1)生体内物質の合成反応
  (2)細胞内外への物質の能動輸送
  (3)筋収縮に必要なエネルギー
  (4)体温に必要な熱エネルギー

    
ATPが分解・消費されると,ただちに細胞内の呼吸代謝系からエネルギー供給を受け,ADPからATPが生成される。呼吸には(水  酸素)を必要とする(好気  嫌気)呼吸と,必要としない好気  嫌気)呼吸があり,有機物の分解によって取り出されるエネルギー量は前者  後者)のほうが多く,多量のATPを生成する。
発酵は,微生物が行う嫌気呼吸の一種で,ふつう,炭水化物のグルコース  グリセリン)を呼吸材料(基質)とする。代表的な発酵に,酢酸菌  酵母)によるアルコール発酵と乳酸菌  酪酸菌)による乳酸発酵がある。
 
代表的な2種の発酵について,以下に示した模式的な反応式を完成せよ。

 <アルコール発酵>
  C126  
(ア)+2H2 → (イ)+2CO2ATP

 <乳酸発酵>
  C126  
(ア)+2H2 → (ウ)2ATP

  (1)C  (2)2C  (3)2COH (4)2C

 (ア)     (イ)     (ウ) 

(ア)をはじめ多くの動物組織細胞も激しい運動などで酸素供給量が低下すると,(イ)発酵と同じ反応経路でグルコースを分解して(イ)を生成しながら,2ATPを得る。その結果,細胞に(イ)が蓄積され,(ウ)が起こる。

 (1)乳酸  (2)疲労  (3)筋肉 (4)酢酸

 (ア)     (イ)     (ウ) 

好気呼吸では,グルコースを最終的にCOO  に分解する過程が基本となる。この過程は,細胞質  細胞質基質での解糖系,ミトコンドリア  内でのクエン酸  コハク酸回路と電子伝達系の3つの主要な反応経路から成り立っている。
解糖系はグルコースを分解して2分子のピルビン酸と2Hを生成する過程で,アルコール及び乳酸発酵と同じ反応経路で行われる。その化学変化を簡単に要約すると,まずグルコースが2分子  4分子のATPを使って2分子のC化合物に分解される。次いでC化合物に脱水素  脱炭酸反応が起こり,2Hが補酵素のFAD  NADへ渡される。その後C化合物はさらに化学変化し,2分子  4分子のATPを生成した後,ピルビン酸になる。つまり,解糖系では差し引き2分子のATPが生成されることになる。
解糖系で生じたピルビン酸はミトコンドリアの(ア)へ移行し,そこで,まずCoAと呼ばれる補酵素と反応し,(イ)を生ずる。この反応には(ウ)が不可欠で,もし不足するとそれ以後の反応が進まなく,脚気という病気になる。(イ)は次にオキザロ酢酸と反応して(エ)になり,クエン酸回路へ入っていく。

 (1)アセチルCoA(活性酢酸)   (2)チアミン(ビタミンB)  (3)マトリックス(基質)  (4)クエン酸  (5)コハク酸

   (ア)     (イ)     (ウ)   (エ) 

クエン酸回路では脱水素・脱炭酸・水の付加反応が繰り返され,ピルビン酸は完全に分解されてしまう。この回路の反応結果を簡単にまとめると下式になる。

 2C+6
(ア)→6(イ)8H(NADへ)+2H(FADへ)+(ウ)

  (1)H   (2)O  (3)2ATP  (4)CO  (5)H

   (ア)     (イ)     (ウ) 

解糖系とクエン酸回路で脱水素されたは,水素受容体の補酵素(NADやFAD)を介してミトコンドリアの(ア)にある電子伝達系へ運ばれ,そこで,(イ) → FAD → (ウ)へと伝達され,最後にと結合してになる。この過程でリン酸化が起こり多量のATPが生成される。このようなOによるリン酸化は,細胞質基質でのリン酸化(基質準位リン酸化)と区別され,(エ)と呼ばれる。

 (1)酸化的リン酸化   (2)還元的リン酸化  (3)内膜  (4)シトクロム  (5)NAD

   (ア)     (イ)     (ウ)   (エ) 

電子伝達系では,
 NADに水素が渡された場合2Hが酸化されてHOになるごとに
(ア)のATPが生成され,
 FADに水素が渡された場合2Hが酸化されてHOになるごとに
(イ)のATPが生成される。

  (1)1分子   (2)2分子   (3)3分子

   (ア)     (イ)

電子伝達系で生成されるATP量をグルコース1分子当たりで計算すると,
 解糖系の2NADH(ミトコンドリアで
2FADHになる)から→
(ア)ATP,
 クエン酸回路の
8NADHから→(イ)ATP,

 クエン酸回路の2FADHから→(ウ)ATPとなり,合計32ATPになる。

  (1)2   (2)4  (3)8  (4)16  (5)24

   (ア)     (イ)     (ウ) 

好気呼吸でグルコース1分子が完全に分解・酸化された場合,最終的に次の式にまとめることができる。
  C126O  6CO+12HO+(ア)ATP

  (1)34   (2)36

 (ア)

グルコース1モル(180g)を完全に酸化させた場合,約688kcalのエネルギーが解放される。ATP→ADPの加水分解で放出されるエネルギーを平均7.3kcalとすると,好気呼吸のエネルギー効率は7.3×36×100/688の計算式から,約(ア)%であり,残りは(イ)エネルギーとして放散されている。

  (1)26   (2)38   (3)熱  (4)化学

   (ア)     (イ)

ミトコンドリアは真核細胞の好気呼吸に不可欠な細胞小器官である。その内部構造に当てはまる名称は何か。

  (1)DNA  (2)クリステ   (3)マトリックス(基質)   (4)内膜    (5)外膜 

   (ア)    (イ)    (ウ)    (エ)   (オ) 

骨格筋の収縮は筋原繊維を構成している(ア)(イ)の相互作用によって起こる。(ア)にはATP分解酵素の働きがあり,(イ)にはATPが結合している。神経刺激が筋肉に達すると,筋小胞体から(ウ)が放出され,これが引き金となって(ア)(イ)に結合しているATPを分解する。そのエネルギーによって(イ)繊維がサルコメアの中央部へ引きずり込まれる。これが筋収縮の滑り説である。

  (1)アクチン   (2)ミオシン  (3)Ca2+ (4)Mg2+

   (ア)     (イ)     (ウ) 

 

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