細 胞 間 結 合

 どんな組織でも,細胞同士の接触があれば必ず細胞結合(cell junctio

n)が存在する。細胞結合の種類は電子顕微鏡観察で識別でき,種類によっ

て,細胞膜の結合部分に特殊化した構造が認められる。            


@ 密着結合(課題図のL)

 細胞膜同士がタンパク質粒子の鎖で閉じ合わされた結合で,細胞間隙を完

全に閉鎖する。
上皮で特に顕著で,上皮細胞層の一方の側から他方へ小さな

分子をも漏れ出さないように封鎖している。閉鎖結合,タイトジャンクションとも

言う。                                            
 


A 接着斑(課題図のS)

 接着斑は,デスモソームとも呼ばれ,隣接細胞の細胞骨格同士や細胞骨格

と細胞外マトリックスを強固に結びつけている。
この結合によって,頑丈な一群

の細胞として機能することができる。皮膚,心筋などの機械的刺激を強く受け

る組織細胞に広く分布する。                             
 


B ギャップ結合(課題図のW)

 この結合の特徴は,細胞膜表面から突き出ているコネクソンと呼ばれるタン

パク質構造にある。コネクソンによって水路(チャネル)が形成され,互いの細

胞内部がつながっている。接近した細胞膜間には一定の隙間(ギャップ)がで

き,これがギャップ結合の名となった。                        

 ギャップ結合はイオンを含む様々な情報伝達物質を通過させることができ,

各細胞の協調的な機能を可能にしている。
神経による同調した筋収縮はその

典型例である。