R N A の 種 類 と 構 造

 

 RNAはその働きの違いから3種類に大別されるm−RNA(メッセンジャーRNA),r−R

NA
(リボソームRNA),t−RNA(トランスファーRNA)である。これら3種類のRNAはすべ

て,DNAの遺伝情報(塩基配列)を元に,RNAポリメラーゼによって合成され,作られたも

のである。この合成過程を転写といい,出来上がったRNA鎖の塩基配列はDNA鎖の塩基

配列と相補的になっている(DNAの塩基対の法則性に従う)。ただし,RNA鎖ではチミン

(T)がウラシル(U)にかわる(下図参照)。
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@ m−RNA

  長く伸びた1本鎖状で,数百から数千ヌクレオチドのものまで多様性に富む。DNAの
 遺伝情報を写し取って細胞質まで運ぶ役割をもつ。このRNAの情報をもとにタンパク質
 が合成される。
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A r−RNA

  核小体中のDNAから合成されるRNAで,約7000ヌクレオチドからなる。合成された
 rーRNAは種々の過程を経て大きく2つに分かれ,タンパク質とともに,リボソームの
 大サブユニット(60S)と小サブユニット(40S)を形成する。大小のサブユニットは最終
 的に細胞質で結合して
リボソーム(80S)になるリボソームはm−RNAと結合しなが
 ら移動し,そこがt−RNAによるタンパク質合成の場となる。
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B t−RNA

70〜90ヌクレオチドからなる小さいR....................................................................................
NAで,数個のループをつくって折れ曲が
り,一部二重鎖になっている。一つのル
ープの先端には
アンチコドンと呼ばれる
3個の塩基部分があり,
ここでm−RNA
と塩基対を形成する。
またt−RNAの3’
末端には特定の
アミノ酸と結合する部分
がある。従ってこのRNAは,m−RNA
上へ,
特定のアミノ酸を運搬して配列さ
せる役割をもつ。
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