〔D〕赤緑色覚異常(赤緑色盲)の遺伝
 赤色と緑色の色調の違いを識別できない赤緑色盲の遺伝子()は,X染色体上にある劣性遺伝子で,Y染色体にはない。つまり,赤緑色覚に係わる遺伝子は女性(XX)では対立して2つあり,男性(XY)では1つしかない。従って,赤緑色盲はX染色体を1本しかもたない男性で出現しやすい。このようなX染色体上の遺伝子による遺伝を伴性 (はんせい)遺伝という。血液が凝固しにくい血友病の遺伝子(複数ある)もその多くがX染色体上にある劣性遺伝子で,伴性遺伝する。下図は X染色体上の遺伝子型の違いによる赤緑色盲の遺伝例。(W:正常遺伝子,w:色覚異常遺伝子で,W>w

 :正常者, 茶色覚異常者 紫:保因者(正常であるが色覚異常遺伝子を1つもつ女性)

 

[参 考]ヒトの 場合,遺伝形質の多くは複数の遺伝子の複雑な相互作用によって発現されて おり,メンデルの法則をそのまま適用できない。さらに,脳の発達が著しく,生まれ育った環境要因(学習や生活環境など)が遺伝形質に大きく影響すると考えられている 

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