単為生殖

 有性生殖の特殊な方法で,卵が受精せずに発生して新個体になる。 すなわち,精子を必要とせずに卵だけで子孫を残せる。この生殖法は,核相の違いによって,半数性単為生殖倍数性単為生殖に大別される。単為生殖に対して,受精による本来の有性生殖法は両性生殖と 呼ばれ,区別される。
 
●半数性単為生殖:減数分裂 を完了した未受精卵()が単独で発生し,雄になる。

  <ミツバチの雄の発生例>


●倍数性単為生殖:
減数分裂 を完了しない未受精卵(2n)が単独で発生し,ほとんど雌になる。アブラムシ(アリマキ)はこの生殖法で春から夏にかけて爆発的に増殖する。秋になると染色体が一本少ない雄(2n)も出現し,両性生殖を行う。

 <アブラムシの発生例>

左図:春〜夏の卵形成では,減数分裂が1回のみで1個の極体しか放出しないので2n=6の卵になる。この卵からが単為発生する。秋の卵形成では,2n=6の卵以外に,1本の染色体が分裂しないで極体に入ることによる,2n=5の卵もできる。この卵からはが単為発生する。

 

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