カルガモは留鳥なので年中身近に観察できる。カモの仲間では珍しく雌雄同色で,全体がほぼ地味な褐色をしている。
 ところがこの時期(8月~9月)は換羽期にあたり,雌雄ともこの1ヶ月程で一斉に衣替えをする。バランスを取りながら旧い羽を落として素早く新しい羽に生え換える必要がある。この換羽中に上の写真のようなブルーの次列風切りが目立つ個体を見つけることができる。よく見ると,これまで覆っていた初列風切り・三列風切り羽や大雨覆などがかなり抜けていて,今はまともに飛べない状態であろう。この危険を避けるため安全な水上で何とか過ごしているものと思われる。
 今回,時期限定で見られた隠れブルー(翼鏡)は命の危険と隣り合わせだった。早く元の翼になって,最良の番いを探してね。