<哺乳類>
哺乳類は中生代の三畳紀末期(約2億年前)に出現したが,その後なぜか大型化しなく,ネズミに近いものであった。彼らは,巨大化した恐竜には全く太刀打ちできなく,夜の森を徘徊しながら細々と生きながらえる存在であった(下図)。しかし,恐竜の時代が終わりを告げると (6500万年前),地上は哺乳類の舞台に変わった。まさに我々に続く新生代(第三期,第四期)が始まった。今まで小型動物であった哺乳類は,徐々に大型化するとともに様々な種類に分化した。森と草原に生きるほとんどの大型動物が哺乳類になり,空へ進出するもの(コウモリ)も現れた。さらに,哺乳類は陸上にとどまらず,海にも勢力をのばした(イルカ,クジラなど)。 |
中生代初期の原始哺乳類シノコノドン(復元想像図)
このような多岐にわたる哺乳類の進化の一つとして,サルの祖先から人類への道が開かれた。霊長類のサル類は,第三期の初期(5〜6000万年前)に出現し,樹上生活をしていた。その後,森での生活が続くが,第三期の末期(約
500万年前)にサルと分かれて二足歩行をする猿人(アファール猿人など)が現れた(下図)。猿人は,安全な森を捨て,二本足で猛獣のいる危険な草原へと向かった。この挑戦者こそ,人の始まりである。これまでの化石発見によると,東アフリカの大地溝帯がサルからヒトへの分化に深く関わったと言われる(下図)。第四期(
約200万年前)に入ると,石器を狩猟に使う原人が
現れて世界各地に分散した(ジャワ原人や北京原人など)。その後,10万年前頃
までに各地で旧人(ネアンデルタール人
など)へと進化した。私達新人(クロマニヨン人
など)の起源については,現在2つの説,「多地域起源説」と「単一起源説」があり,まだ決着していない。前者は旧人の一種を新人の祖先とする説で,後者は同じ頃(約10万年前)にアフリカに誕生した新人が
,各地の旧人を排除して,全世界に分散したとする説である。現在,後者の説が有力である。 人類の特徴は,直立2足歩行に始まり,自由になった手でいろいろな道具を作るようになり,結果として頭脳が著しく発達したことであろう(下図)。人の脳は,言語,文字を操って莫大な情報を蓄積し,それが科学の進歩を促し,物質文明を築き上げた。 |
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アファール猿人(身長1.1〜1.4m)と,化石の発見場所(東アフリカ)
<ヒトの進化と脳容量>
約400ml |
900〜1100ml |
約1400ml |
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猿人(アウストラロピテクス) | 原人(ホモ・エレクトス) | 新人(ホモ・サピエンス) |