陸上生物の進化U
− 脊椎動物 −
イクチオステガ(両生類)の上陸後,4本足の脊椎動物は大きく三つの方向(爬虫類,哺乳類,鳥類)に分かれて進化する。 |
<爬虫類−恐竜>
爬虫類の仲間といわれる恐竜は,内骨格の利点を最大限に生かして巨大化し,中生代(三畳紀,ジュラ紀,白亜紀)の覇者となった。何といっても大きいものは強く,ジュラ紀を頂点として1億5000万年以上にわたって他を寄せ付けなかった。ジュラ紀に出現したブラキオサウルスやセイスモサウルス(下図)は,全長30 〜50mにも達した。そしてこの巨大化したボディーを維持できる食糧は植物であった。大型恐竜のほとんどが草食であり,その繁栄が,少数の肉食恐竜であるティラノサウルス(下図)などを支えていた。昆虫とは比べものにならない大口動物の登場は,植物にとって脅威だったに違いない。恐竜の主食であった裸子植物の針葉樹は,恐竜より高く延びる以外に逃れる方法がなかったであろう。 |
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ブラキオサウルス骨格標本 |
セイスモサウルス復元図(全長最大50m)
ティラノサウルス復元図(全長約12m)
白亜紀にはいると,前述のように,被子植物が台頭し,裸子植物は二重の攻めにあい,その多くが衰退した。 植生の変化に合わせて,被子植物を食べるトリケラトプス(下図)なども出現するが,恐竜は次第に小型化し,白亜紀の末期(6500万年前)に地上から 忽然とその姿を消してしまった。その原因については,主食となる植生の変化や隕石衝突などいくつかの説がある。 |
トリケラトプス骨格標本(全長7〜10m)