初期発生のしくみ

− 両生類胚の研究例 −

〔A〕予定運命
 
フォークト(ドイツ)は,初期原腸胚の表面に局所生体染色を行って胚の各部から将来どのような組織・器官が分化するかを調べ,予定運命図を示した(下図)。

<局所生体染色法>

初期原腸胚(側面)

中期原腸胚(側断面)

尾芽胚(側断面)

 

1〜11部位を局所染色

陥入による3胚葉形成の過程

発生にともなう染色部位の移動

 

<初期原腸胚の予定運命図(イモリ) >   左図:原口から陥入していく部分が中胚葉になり,脊索・体節・側板が最初に分化する。 卵黄に富む植物極側は陥入によって胚の内部に包み込まれて内胚葉になり,まず消化管が分化する。そして,陥入しない残りの部分が外胚葉になり,神経や表皮に分化する。このようにして,外・中・内の3胚葉をもとに様々な組織・器官が次第に分化していく。

 

<外・中・内の各胚葉の分化過程(カエル)>

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